症例
乳児期早期からの体重増加不良を契機に診断した偽性Bartter症候群の1乳児例
中農 昌子
1
,
佐伯 しのぶ
,
桐村 章大
,
大塚 敬太
,
白 潤夏
,
飯田 陽子
,
高川 健
,
阪井 利幸
1国保中央病院 小児科
キーワード:
Aldosterone
,
Renin
,
血液学的検査
,
検尿
,
電解質
,
発育不全
,
輸液療法
,
Pseudo-Bartter症候群
Keyword:
Aldosterone
,
Failure to Thrive
,
Electrolytes
,
Hematologic Tests
,
Renin
,
Urinalysis
pp.1389-1393
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2017031673
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6ヵ月女児。体重減少を主訴とした。生来完全母乳栄養であったが、生後3ヵ月をピークに体重増加を認めなくなり、入院時の体重は5630g(-2.4SD)であった。血液検査では血漿レニン活性とアルドステロンが異常高値であり、血中・尿中電解質は低値であった。入院後補液による電解質補正を開始し、人工乳併用と離乳食指導も開始して徐々に体重は増加し、レニン活性、アルドステロン値は正常化した。入院12日目に体重6295g(-1.9SD)で退院し、以降外来通院にて経過観察を行い、身長体重増加は良好で、血中・尿中電解質も正常範囲を維持している。本症例は経口摂取不良で神経性食思不振と同様の病態であり、Bartter症候群と同様の病態をきたす偽性Bartter症候群の可能性があると考えられた。
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