症例
院内外多職種連携による治療・支援を行った慢性機能性便秘症に伴う便失禁の1例
舩戸 道徳
1
,
小川 陽子
2
,
加藤 佳子
2
,
岩田 怜奈
3
,
橋本 朝子
4
,
下平 悦子
5
,
安田 邦彦
6
1国立病院機構長良医療センター神経小児科
2同 リハビリテーション科
3同 薬剤部
4同 看護部
5同 地域連携室
6同 小児外科
pp.656-660
発行日 2026年7月1日
Published Date 2026/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003925
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便失禁は米国精神科学会の精神疾患の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)には,① 無意識か意図的かにかかわらず,不適切な場所に排便する(たとえばパンツのなかや,床などに),② 3か月に1回以上の頻度でエピソードがある,③ 4歳(あるいはそれに相当する発達年齢)以上である,④ その症状は,便秘を起こす機序によるものを除き,緩下剤などの物質や他疾患の症状によるものではない,と定義されている1).また,国際疾病分類第11版(ICD-11)には便失禁(遺糞症)を,「便秘および溢流性便失禁を伴う遺糞症」と「便秘および溢流性便失禁を伴わない遺糞症」に分類している1).小児の便失禁の9割は前者であり,慢性便秘症によって,直腸が拡張すると便意の知覚が低下し,さらに便が貯留するという悪循環が引き起こされ,最終的に直腸内に大きな便塊が形成されて,その周囲から水様や泥状の便が流れ出る便失禁となることが知られている2).

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