目で見る小児科
Bicipital synovial cystを呈した全身型若年性特発性関節炎の女児
畠野 真帆
1
,
伊良部 仁
1
,
林 祐子
1
,
清水 正樹
1
1東京科学大学病院小児科
pp.1119-1120
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003623
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経過:主訴出現の7か月前に全身型若年性特発性関節炎(systemic juvenile idiopathic arthritis:sJIA)と診断され,プレドニゾロン(PSL),シクロスポリン,トシリズマブによる治療で寛解を維持していた.PSLの漸減に伴い,1か月前(PSL 0.5mg/kg/日)から左足関節,右膝関節,右肘関節の疼痛を訴えるようになった.メトトレキサートへの変更により一時的な改善が得られたものの,右腋窩に5cm大の楕円形腫瘤が突然出現し発熱も伴うようになった.MRI検査で右肩関節の造影効果を伴う滑膜肥厚と肩関節から連続する嚢胞様の液体貯留を認め,Bicipital synovial cystと診断した(図).ステロイドパルス療法で速やかに改善が得られ,トシリズマブからカナキヌマブへスイッチし,以後は再発なく経過している.
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