臨床経験
慢性関節リウマチのsynovial cystについて
三井 弘
1
,
宮永 豊
1
,
園崎 秀吉
2
Hiroshi MITSUI
1
1東京大学医学部整形外科学教室
2駒込病院整形外科
pp.1114-1118
発行日 1977年11月25日
Published Date 1977/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905624
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はじめに
慢性関節リウマチ(RA)によりsynovial cystが起こることはよく知られている.これは関節tendon sheath,bursaeと関連して形成されると考えられているが,その発生メカニズムについてもいくつかの考えがありまだ結論は出ていない.RAのsynovial cystはほとんどの場合,膝関節や手関節周辺にできるが,まれに他の四肢関節周辺にできる事もあり,神経圧迫やcystの感染,cystそのものによる関節運動の障害等を起こし臨床上,問題となる場合もある.また膝窩部のcystのようにまれに破裂を起こし,感染を併発することもある.
今回の論文の目的はまれな部位に発生したRA synovial cystの症例の治療経験を中心とし,その臨床像,X-P像(造影所見を中心として),組織像を検討する事により,RA synovial cystについての考察を行なう事である.
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