特集 小児・思春期糖尿病アップデート――診断・治療から生活のサポートまで
Ⅳ 子どもの生活のサポート
9.糖尿病をもつ子どもにかかわるスティグマとケア
小川 洋平
1
1新潟大学医歯学総合病院小児科
pp.52-55
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003332
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スティグマとはある特定の属性により否定的な価値を付与されることである.スティグマを受けたものは社会的アイデンティティを不当に侵害され,社会的にも個人的にも不利益を被ることとなる.糖尿病をもつ子どもは,病型に対する周りの不十分な理解,診療の際やライフイベントなどによりスティグマを受けやすい環境にある.スティグマによる心理的負担は強く,治療に否定的な姿勢,自己効力感の低下,社会とのかかわりの制限などの問題を引き起こす.スティグマ解消の方策として,医療者の診療姿勢の見直し,園や学校の環境整備,小児糖尿病キャンプや患者会の支援,正しい疾病知識の啓蒙といったアドボカシー活動が挙げられる.
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