綜説
小児の肺移植の現状と未来
芳川 豊史
1
1名古屋大学大学院医学系研究科呼吸器外科
pp.1155-1163
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003217
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肺移植は,慢性呼吸不全患者に対する最後の砦となる治療で,わが国においても累計で1,200例を超え,その生存率は世界最高レベルである.しかしながら,肺は,気道で外界と直接通ずる臓器であり,肺移植において感染と拒絶のバランスを長期に維持することは難しく,他臓器とくらべ肺移植の成績は悪い.現状では世界的にも小児肺移植の数は少ないが,小児においても肺移植は慢性呼吸不全患者に対する究極の治療である.また,わが国では,脳死肺移植が待機できない小児に対して,生体肺移植が重要な治療オプションとして行われている.本稿では,小児肺移植の現状と未来について論じる.
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