綜説
小児肺移植の現状
芳川 豊史
1
1名古屋大学大学院医学系研究科呼吸器外科
キーワード:
小児肺移植
,
生体肺移植
,
脳死肺移植
,
肺移植
Keyword:
小児肺移植
,
生体肺移植
,
脳死肺移植
,
肺移植
pp.1364-1373
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001943
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わが国における肺移植は800例を超え,その生存率は世界屈指のレベルである.しかし,肺は気道によって外界と直接通じる臓器であり,肺移植において感染と拒絶のバランスを長期に維持することは難しく,他臓器とくらべグラフトの生着率は低い.小児肺移植数はいまだ少なく,慢性呼吸不全に罹患する小児患者の治療の一つとして,肺移植が定着することを期待し,本稿では小児肺移植の現状について概説する.肺移植は今後大きく増加する医療の一つであり,とくに脳死ドナーが今後増加する可能性が高いわが国では,小児肺移植数も増加することが予想される.またわが国では,小児に対する生体肺移植も一つの治療オプションとして行われている.
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