特集 正しく指示する 子どもの栄養・病気のときの食事指導Ⅰ
6.鉄欠乏性貧血
井上 彰子
1
1いのうえ小児科阪南クリニック
pp.1124-1129
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003210
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鉄欠乏性貧血は小児の貧血のなかで最も頻度が高い栄養性貧血である.とくに鉄需要が増加する生後6か月~2歳までの乳幼児と思春期女児は鉄欠乏になりやすい.貧血を呈した場合には食事療法のみで改善することは難しく,適切な鉄剤投与が必要となるが,貧血の前段階の鉄欠乏症では食事療法による改善が期待できる.なかでも乳幼児期の鉄欠乏性貧血は,その後の発達・発育に影響を及ぼす可能性があるため,早期から予防することが重要である.現代の日本人の鉄摂取量では鉄欠乏症に陥りやすいため,各年齢に応じた食事指導を行い,鉄強化補助食品などもうまく活用しながら鉄摂取を意識した食生活を習慣づけることが必要とされる.
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