病気のはなし
鉄欠乏性貧血
北中 明
1
1川崎医科大学検査診断学
pp.1212-1217
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208819
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Point
●鉄欠乏性貧血では,ヘモグロビン値の低下,平均赤血球容積(MCV)と平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)の低下(小球性低色素性貧血)に加え,血清鉄の低下,総鉄結合能(TIBC)の上昇,血清フェリチン値の低下を認める.
●妊娠可能年齢にある女性で非常に頻度が高い.悪性腫瘍などを伴うことがあるため,鉄欠乏性貧血と診断した場合は,鉄の補充だけではなく,鉄欠乏をきたした原因の検索を行うことが重要である.
●鉄剤は経口投与が原則である.鉄剤の投与は貧血が改善し,血清フェリチン値が正常化するまで続行する.
●静注鉄剤を使用する場合は,治療開始前に総鉄投与量を計算して鉄過剰症をきたさないようにする.
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