症例
死亡後心臓超音波検査が病理解剖診断の契機となった乳児突然死の1例
飯田 尚樹
1
,
楠本 耕平
2
,
伊藤 雄介
2
,
石原 温子
3
1兵庫県立尼崎総合医療センター小児科
2同 小児救急集中治療科
3同 小児循環器内科
pp.802-805
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003116
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小児の院外心停止(out-of-hospital cardiac arrest:OHCA)では,乳児期の割合が最も多いが,国内の報告ではその半数近くが原因不詳である1)~3).これらの死因を明らかにすることは小児突然死の予防に重要である.また,遺族が次子の妊娠を検討するうえで有益な情報にもなる.死因究明には今でも解剖がゴールドスタンダードであるが,国内の小児突然死に対する解剖実施率は40%程度と十分に実施されているとはいえない4).一方で小児突然死の10%に心臓の異常を認めた報告もあり5),解剖されず死因不詳とされている症例のなかにも未診断の心疾患が含まれている可能性がある.
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