日本列島
学校における突然死による死亡事故—岐阜
井口 恒男
1
1岐阜県地域保健課
pp.602
発行日 1982年9月15日
Published Date 1982/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206580
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岐阜市では58年1月29日に第15回若年者心疾患対策協議会を開催するべく準備が進められているが,その際の資料の一部として岐阜県学校健康会で東海北陸ブロック合同調査による突然死による死亡事故をまとめた.集計データは49年4月から57年3月までの8年間における富山,石川,福井,三重,愛知,岐阜の6県の小,中,高校(高専を含む)生の突然死の実態をまとめたものである.突然死の総計は74件,愛知の30をトップに岐阜,石川の12,三重の11,富山5,福井4となっており,小,中,高校別では小学生18,中学生26,高校生30と高学年ほど多く,また,性別では男55,女19である.発生時の行動別では歩行,足速等18,走行等17,バスケット9,水泳8,その他の運動16,その他6となっており,歩行ないし走行時の例が多く,スポーツではバスケットと水泳が顕著である.突然死のうち23名に既住歴がみられ,突発性心筋炎5,ファロー4徴症3,心房中隔欠損2,その他心臓障害11で,循環器系の既住のあるものが多く,健康管理の上で心疾患管理の重要性を示すものといえる.
全国統計として,学校管理下の死亡についての死亡見舞金支給件数を昭和53年分でみると,小学校86件,中学校67件,高校98件であり,これらの年齢層の第1位死因である不慮の事故死の3〜4割に相当し,全死亡の5%前後を占めている.
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