社会小児科学
新生児里親委託の現状と課題
西﨑 眞理
1
,
小林 光郎
1
,
河上 早苗
1
1松山赤十字病院成育医療センター小児科
pp.796-801
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003115
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実親が育てることができない子どもを,出生直後から里親に養育を委託する「新生児里親委託」に取り組んだ.12名の新生児を里親に委託し,ほぼ1歳頃には特別養子縁組が成立し,法律上も本当の親子になった.愛着形成に必要な家庭養育や永続的に安定した家庭(パーマネンシー)の保障などの利点が大きいが,里親と子ども,双方にさまざまな問題があり,養子縁組後も継続的な見守りや支援,介入が必要であった.さまざまな不利益をもつ社会的養育の子どもの健全な育ちを保障するためには,小児科医が社会的養育の制度に対する理解を深め,多職種と連携し支援をしていく必要がある.
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