講座
里親制度について
関根 忠
1
1都中央児童相談所
pp.44-48
発行日 1957年2月1日
Published Date 1957/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201212
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児童福祉法
里親里子という伝習は昔からあつたことなのだが,今は児童福祉法という法律上の制度ともなつていることで,今,私が説明しようとしているのはその里親制度である.児童福祉法は昭和22年12月に制定公布された法律で,一口でいえば,妊娠から育成までを児童の保護者と共に国及び地方公共団体が保障する法律で母子手帳や入院助産,保育所等のことがこの法律で定められている.妊娠が経済上等の理由で保健指導を受けたくても受けられないとき,保健上必要があるにもかかわらず,経済的理由によつて入院助産が受けられないときなど,妊産婦は早速この法律の保護を受けられるのである.又子供がその成育途上,色々な事情の為に親の充分の監護が受けられなくなつた時は,親に代つて,国又は地方公共団体の保護の下に健全に養育されるように保障しているのもこの法律である.国又は地方公共団体が親に代つて子供を養育する場合,実際に養育に当るのは乳児の場合は乳児院,その他夫々の場合に応じて養護施設,精神薄弱児施設,肢体不自由児施設,虚弱児施設等色々の施設があるが,それ等施設と並んで子供の養育に当るのが里親であつて,里親とはこの法律で「保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童を養育することを希望する者であつて,都道府県知事が適当と認める者をいう」と定めてある.
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