寄稿
児童相談所・養子縁組民間あっせん機関の里親委託・養子縁組担当者と小児医療従事者との連携に関する調査
石﨑 優子
1
,
星野 寛美
2
,
古川 恵美
3
1関西医科大学小児科学講座
2認定特定非営利活動法人環の会
3兵庫県立大学看護学部
pp.211-216
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/ch.0000000074
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背 景
厚生労働省1)によれば,社会的養護とは,保護者のない児童や,保護者に監護させることが適当でない児童を,公的責任で社会的に養育し,保護するとともに,養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことを意味する。従来より,日本では諸外国に比較して施設養育が多く,里親等による家庭養育が少ないことが指摘されており2,3),社会的養護を要する子どもの家庭的養育を進めていくうえで,2017(平成29)年8月,厚生労働省は「新しい社会的養育ビジョン」4)において「7年以内に6歳以下の未就学児の75%を里親委託」という目標を掲げた。5年を経た2022(令和4)年3月の厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課による「社会的養育の推進に向けて」5)では,社会的養護を要する子ども4万2千人のうち,里親委託やファミリーホームで家庭的な養育を受けている者は約18%である。過去10年で,里親等委託児童数は約2倍,児童養護施設,乳児院に入所する子どもの数が約2割減っているが,新しい社会的養育ビジョンの目標には届かない。
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