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体外型補助人工心臓・心臓移植が施行不可能な施設における小児心筋症診療
三渕 静香
1
,
本田 啓
1
,
平井 克樹
1
1熊本赤十字病院こども医療センター小児科
pp.84-90
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002916
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心筋症は予後不良かつ進行性の疾患であり,回復には内科的治療に加え,人工呼吸器管理,体外式膜型人工肺(ECMO),体外型補助人工心臓(VAD),心臓移植を含めた幅広い治療を適切な時期に施行することが重要となる.当院での小児心筋症患者8症例は,現在まで全例生存している.3例は心臓移植の適応とはならない症例も含め,当院での主に内科的治療により改善した.残り5例は搬送となったが,搬送の時期や手段,場所はさまざまであった.また,5例中3例は当院へ再搬送されており,うち2例は搬送先でのVAD装着後に再搬送されていた.心臓移植が不可能な地域での心筋症治療では,医療体制の整備,移植可能施設を含めた院内外多職種,家族との連携,安定した搬送が重要である.
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