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入門講座 小児リハビリテーションに必要な評価法・4
ウェクスラー式知能検査(WISC-Ⅳ)
Wechsler Intelligence Scale for Children fourth edition
中村 美奈子
1
Minako Nakamura
1
1国立成育医療研究センターリハビリテーション科/発達評価支援室
1Developmental Evaluation Clinic, Division of Rehabilitation Medicine, National Center for Child Health and Development
キーワード:
WISC-Ⅳ
,
実施法
,
解釈
,
プロフィール分析
Keyword:
WISC-Ⅳ
,
実施法
,
解釈
,
プロフィール分析
pp.417-424
発行日 2023年4月10日
Published Date 2023/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202802
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はじめに
知能とは,直感的な推測力や言語理解・表現力,記憶力などの個人の考える力を総合的に表す指標である.知能検査は,さまざまな認知的課題により個人の考える力を測定し,総合的な考える力や強み,弱みを明らかにする.このため発達の緩やかな遅れが認められており就学後の配慮を考案したい場合や,集団生活で対人関係をうまく築けない,学習につまずきを感じるなど,個人が何らかの課題を抱えた際に全体像を捉える目的で実施されることが多い.医療を含め福祉や教育の多様な場面で個人の支援策を考えるために活用されている.医療機関では生育歴に応じた発達状況,治療前後における発達変化などを客観的に評価し,児にかかわる方々の理解,生活,学習環境づくり,公的支援利用の手助けになることをめざして実施している.
Wechsler Intelligence Scale for Children-Fourth Edition(WISC-Ⅳ)は,5歳0か月から16歳11か月までを適用年齢とし,知能を複数の知的能力(因子)の集合体と捉えて,個人のそれぞれの知的能力の大きさを明らかにする検査である.同年齢集団のなかの相対的評価と個人内の強みや弱み,アンバランスの有無がわかる1).施行の簡素化と目標とする知的能力を測る精度を高める目的で4回の改訂を終えているが,2021年にWechsler Intelligence Scale for Children-Fifth Editionの日本版が刊行され,さらに精鋭化されたものとして広まることが期待される.本稿では国立成育医療研究センター(以下,当院)での事例を参考にWISC-Ⅳの解釈について概説する.
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