特集 小児循環器疾患――最近の話題
1.新型コロナウイルス感染症と先天性心疾患
小垣 滋豊
1
1大阪急性期・総合医療センター小児科・新生児科
キーワード:
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
,
COVID-19
,
先天性心疾患
,
重症化リスク
Keyword:
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
,
COVID-19
,
先天性心疾患
,
重症化リスク
pp.215-220
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002504
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新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は血管内皮細胞に侵入することで血栓形成や心血管系の合併症を引き起こし,同時にサイトカインストームによる心筋障害や呼吸不全による低酸素血症も心血管系に影響を及ぼす.成人先天性心疾患患者では,男性,糖尿病,チアノーゼ,肺高血圧,腎機能低下,心不全入院の既往,より重症の病態が死亡のリスク因子である.小児患者における重症化リスク因子について十分なエビデンスはないが,複雑先天性心疾患,チアノーゼ,肺高血圧,心不全,先天異常症候群(染色体異常を含む)などがリスク因子と考えられる.治療薬の選択肢が少ない小児患者では,新型コロナウイルスワクチン接種が推奨される.今後のさらなる研究が必要である.
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