成育基本法と脳卒中・循環器病対策基本法 -――その要点と小児診療へのかかわり

2018年12月に脳卒中・循環器病対策基本法，成育基本法が成立し，2020年10月と2021年2月に各々の基本計画，基本方針が発表された．両基本法に基づき，小児科診療，循環器診療で，広範囲にわたり施策が進むことが期待されている．本稿では，両基本法が取り上げる小児科，循環器科領域の共通する課題（学校心臓検診，学校での健康教育，移行医療）に絞って，基本計画，基本方針の内容を紹介し，今後のこれらの日本の小児医療保健へ期待される影響について述べる．小児科，循環器科領域の日常臨床と地域の保健の多岐にわたる課題のなかで，両基本法による施策が解決の1つの機会となることが期待される．