Japanese
English
特集 脳卒中・循環器病対策基本法――今後の展開
脳卒中と循環器病克服5ヵ年計画
-――循環器研究の推進
Five-year plan to overcome stroke and cardiovascular disease
小室 一成
1
Issei KOMURO
1
1東京大学大学院医学系研究科循環器内科学
キーワード:
脳卒中・循環器病対策基本法
,
循環器病克服5ヵ年計画
,
ゲノム・オミックス研究
,
疾患モデル研究
,
AI・数理モデル研究
Keyword:
脳卒中・循環器病対策基本法
,
循環器病克服5ヵ年計画
,
ゲノム・オミックス研究
,
疾患モデル研究
,
AI・数理モデル研究
pp.282-285
発行日 2021年7月24日
Published Date 2021/7/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27804282
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
循環器病の発症や重症化には多くの遺伝要因と環境要因が関わっているため,その病態は非常に複雑であり十分な理解がされていない.そのため,治療の多くは対症療法にとどまっており,“治す” ことができていない.今後,対症療法ではなく病態に基づいた治療法を確立していくためには,ゲノムなどのオミックス研究や疾患モデル研究などの基礎研究によって病態を解明したうえで,病態発症の分子機序を標的とした新規治療法を開発することが重要である.ゲノムなどのオミックス解析技術の進歩により循環器病の病態解析が可能となり,さらにAIの活用により膨大な基礎研究結果と臨床情報との統合も可能となったため,“超複雑系” である循環器病の病態解明が急速に進んでいる.したがって,がんのように国をあげて研究を推進することによって,わが国の循環器研究はふたたび世界をリードし,国民の福祉にも大きく貢献することが期待される.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.