特集 近未来の小児科のあり方・これからの展望
Ⅳ 新生児医療
17.生殖補助医療とのかかわり
-――小児科の視点から
高橋 尚人
1
1東京大学医学部附属病院小児・新生児集中治療部
キーワード:
生殖補助医療
,
ART
,
着床前診断
,
多胎
,
新生児集中治療室
Keyword:
生殖補助医療
,
ART
,
着床前診断
,
多胎
,
新生児集中治療室
pp.1554-1562
発行日 2022年12月20日
Published Date 2022/12/20
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002419
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日本では生殖補助医療(ART)で出生する児は出生数全体の7%を占めるに至っている.一方,ARTで妊娠し出生する児のNICU入院率は自然妊娠の約3~4倍と推測され,東京大学では不妊治療で出生する児はNICU入院数の30~40%を占めている.以前は不妊治療に伴う多胎の頻度が大きな問題だったが,最近はその他の周産期合併症や先天異常などが問題となっている.産科医療のなかでARTの果たす役割が大きくなる一方で,着床前診断をはじめとする倫理的な課題も多く残っている.ARTはNICU医療の存在が前提であり,今後ますます新生児医がこの領域に果たす役割は大きくなっていくと考えられ,とくにその倫理的な課題に新生児医が積極的に関与していく必要があると思われる.
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