特集 一般小児科医のための小児てんかん診療ガイド
6.素因性の小児てんかん
-――診断のポイント
加藤 光広
1,2
1昭和大学医学部小児科学講座
2昭和大学病院てんかん診療センター
キーワード:
遺伝
,
自然終息性てんかん
,
薬剤反応性てんかん
,
発達性てんかん性脳症
,
分子病態
Keyword:
遺伝
,
自然終息性てんかん
,
薬剤反応性てんかん
,
発達性てんかん性脳症
,
分子病態
pp.982-989
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002278
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素因性はgeneticの訳であり,遺伝子変異(遺伝素因)の関与を意味するが,必ずしも家族性を意味しない.てんかんの家族性発症は約5%のみであり,幼児期以降の多くは多因子遺伝である.その一方,孤発例が多い発達性てんかん性脳症では原因遺伝子の同定が進み,イオンチャネル以外に多彩な分子病態が明らかにされている.臨床的に特徴づけられた特定のてんかん症候群の他に,分類不能な発達性てんかん性脳症でも遺伝素因の関与が多い.てんかんの分子標的治療も始まっているが,遺伝子検査が国内で保険適用されているてんかん症候群はごくわずかであり,早期の検査体制整備が望まれる.
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