綜説
血清脂質値の時代的推移
-――HDLコレステロールの上昇について
有阪 治
1
,
市川 剛
1
,
中山 幸量
2
,
小山 さとみ
2
,
西連地 利巳
3
1宇都宮脳脊髄センターシンフォニー病院
2獨協医科大学小児科
3同大学公衆衛生
キーワード:
HDLコレステロール
,
時代的推移
,
肥満
,
脂肪酸摂取
,
歯の健康
Keyword:
HDLコレステロール
,
時代的推移
,
肥満
,
脂肪酸摂取
,
歯の健康
pp.776-781
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002222
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血清コレステロールの動向に関する興味深い現象として,集団レベルでみた高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)値の上昇が挙げられる.わが国の成人では最近20年間でHDL-C値が10~15%上昇したことが報告され,小児においても増加傾向にあるとする報告がみられる.動脈硬化性疾患の一次予防という観点からはHDL-Cが上昇し,低HDL-C血症の有病率が減ることは好ましいと考えられるが,時代的推移としてのHDL-C上昇の理由はわかっていない.したがって,今後さまざまな集団でのHDL-Cの動向を注視し,HDL-Cを上昇させている要因,そして将来の健康への影響を明らかにしていく必要があると思われる.
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