特集 小児の腎疾患を見つめ直す――基礎と臨床
4.3歳児検尿・学校検尿と小児慢性腎臓病診療
中西 浩一
1
1琉球大学大学院医学研究科育成医学(小児科)講座
キーワード:
先天性腎尿路異常
,
IgA腎症
,
臨床試験
,
ガイドライン
,
多剤併用療法
Keyword:
先天性腎尿路異常
,
IgA腎症
,
臨床試験
,
ガイドライン
,
多剤併用療法
pp.603-610
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002187
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
3歳児検尿は先天性腎尿路異常を中心とした非糸球体性疾患を,学校検尿は慢性腎炎を中心とした糸球体性疾患を主な対象としている.IgA腎症は最も頻度の高い慢性糸球体腎炎で,わが国では主に学校検尿により早期に発見され,早期治療が可能で予後改善に寄与している.わが国では「小児IgA腎症治療研究会」が中心となって多くの臨床試験が進められてきた.「小児IgA腎症診療ガイドライン2020」では,「軽症例」と「重症例」に分けて記載されている.「重症例」では副腎皮質ステロイド薬,免疫抑制薬,アンジオテンシン変換酵素阻害薬を用いた2年間の多剤併用療法が,「軽症例」ではリシノプリルの2年間の投与が提示されている.
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.