特集 子どもの性別違和とセクシュアルマイノリティ
5.法律上の性の決定と遺伝カウンセリング
石井 智弘
1
1慶應義塾大学医学部小児科/同大学病院性分化疾患センター
キーワード:
性分化疾患
,
判別不明性器
,
法律上の性
Keyword:
性分化疾患
,
判別不明性器
,
法律上の性
pp.36-42
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002038
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新生児期の性分化疾患は心理社会的かつ医学的な救急疾患である.その理由は,出生後に早急に法律上の性を決定し,下垂体前葉疾患や副腎疾患の有無を迅速に評価しなければならないからである.プロセスとしては,まず法律上の性を保留し,正確な病因診断に基づく児の生殖予後や合併症に関する情報を収集する.この情報を医療チームと両親との間で共有し,メリットとデメリットを十分に協議したうえで,両親に法律上の性を自律的に選択してもらう.法律上の性の決定にゴールドスタンダードは存在しないため,症例ごとに個別化し,専門施設と連携した診療が推奨される.
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