特集 子どものコモンな微徴候・微症状
呼吸器・胸部
15.咳が長引く
高瀬 真人
1
1東京逓信病院小児科
キーワード:
小児
,
遷延性咳嗽
,
慢性咳嗽
Keyword:
小児
,
遷延性咳嗽
,
慢性咳嗽
pp.1061-1065
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001877
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「咳が出る」という訴えは,保護者が子どもを小児科に連れてくる理由としてきわめてありふれたものである.長引く咳については,日本呼吸器学会や日本小児呼吸器学会がガイドラインを出しているが,3〜8週未満を「遷延性咳嗽」,8週以上のものを「慢性咳嗽」とする区分が用いられている.一方,米国の胸部疾患学会(American College of Chest Physicians:ACCP)では小児の慢性咳嗽を4週間以上続く咳と定義しており,遷延性咳嗽という区分は用いていない.実際は,長いといっても10日程度で心配して受診させる保護者もいるし,1年中続いているという場合もある.本稿では子どもの咳が3週間以上に及んでいる場合,咳が長引いているとする.微徴候・微症状ということから,明らかな喘鳴や呼吸困難があるもの,発熱等の全身症状を伴う場合などは除外する.3週間というのは,頻度が高い感冒等ウイルス性気道感染症による咳のほとんどがその期間を超えないというデータに基づいた基準である.
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