特集 咳を聴きとり,咳を止める
【咳の原因の全体像を捉える】
●ガイドラインの要点を非専門医が読み解くには
咳嗽ガイドライン(第2版)のエッセンス
新実 彰男
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科呼吸器・免疫アレルギー内科学
キーワード:
急性咳嗽
,
遷延性咳嗽
,
慢性咳嗽
,
咳喘息
,
胃食道逆流症(GERD)
Keyword:
急性咳嗽
,
遷延性咳嗽
,
慢性咳嗽
,
咳喘息
,
胃食道逆流症(GERD)
pp.422-426
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200209
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ガイドラインの概要と特徴
咳嗽の診療ガイドラインとして,2005年に日本呼吸器学会から『咳嗽に関するガイドライン』,翌年に同じ内容の英語版,そして2012年に『咳嗽に関するガイドライン第2版』が刊行された(英語版準備中).本ガイドラインでは,3 週未満の急性咳嗽,3 週以上8 週未満の遷延性咳嗽,8 週以上の慢性咳嗽に分類している.急性咳嗽の多くは急性上気道炎や上気道炎後に咳だけが残る感染後咳嗽であり,持続期間が長くなるほど感染症に伴う咳の比率は低くなる.遷延性咳嗽でも感染後咳嗽が最多の疾患であるが,慢性ではその頻度は低く,咳喘息,胃食道逆流症(GERD),副鼻腔気管支症候群など,多彩な疾患が原因となる(図1).
初版と異なる第2版の主な特徴は,以下の2点である.
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