ミニ特集 小児循環器疾患に対する再生医療
3.iPS細胞から作成した心筋細胞シートによる治療
-—小児重症心不全への応用をめざして
澤 芳樹
1
1大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科学
キーワード:
重症心不全
,
サイトカイン
,
iPS細胞由来心筋細胞シート
Keyword:
重症心不全
,
サイトカイン
,
iPS細胞由来心筋細胞シート
pp.626-630
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001761
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2007年11月,山中伸弥教授らがヒトiPS細胞の樹立に成功したニュースは世界中を駆け巡り,さらに2012年10月にはノーベル生理学医学賞を受賞された.この快挙は,これまでの生命科学のメカニズムを説き明かす大変大きな発見であるとともに,これまで治療法が無かった難病の患者さんにも光が届く可能性が大いに期待されている.このような背景のもとにわれわれも,重症心不全に対するiPS細胞由来心筋細胞による心筋再生治療の研究を2008年から開始し,ついに2020年1月には世界初のiPS細胞由来心筋細胞による心不全患者への医師主導治験を開始した.このように実現したiPS細胞の治療応用が今後ますます期待される.
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