症例
市中病院小児科におけるIgG2低下を伴う肺炎反復例に対する免疫グロブリン療法の経験
金井 宏明
1
,
佐藤 広樹
1
,
武井 義親
1
1諏訪中央病院小児科
キーワード:
反復性下気道感染
,
原発性免疫不全症候群
,
IgG2
,
免疫グロブリン療法
Keyword:
反復性下気道感染
,
原発性免疫不全症候群
,
IgG2
,
免疫グロブリン療法
pp.86-92
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001607
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IgG2は総IgGの20〜30%を占め,母体由来のIgG2が減少した後の生後4〜6か月に最低値となりその後緩徐に増加するが,細菌の莢膜多糖体抗原に対する主要な抗体であるため,低下例では肺炎球菌やインフルエンザ菌による中耳炎や気管支炎/肺炎を反復することがある1).感染予防として免疫グロブリン製剤(intravenous immunoglobulin:IVIG)療法が有効であり,わが国においても中耳炎と下気道炎症例に対して第Ⅲ相臨床試験が行われ,感染予防効果および安全性がすでに示されていた2).以前はIgG2検査とIVIG療法についての保険適用はなく専門施設での検査・治療であったが,2015年2月にIgG2検査とともにIVIGのなかで「献血ヴェノグロブリン® IH」が保険収載され,非専門施設においてもIgG2の評価とIVIG療法が行いやすくなった(図1-a)2).
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