特集 小児の貧血
9.ヘモグロビン異常症の診断と治療
山本 将平
1
1東海大学医学部基盤診療学系先端医療科学
キーワード:
異常ヘモグロビン症
,
サラセミア
,
溶血性貧血
Keyword:
異常ヘモグロビン症
,
サラセミア
,
溶血性貧血
pp.1529-1535
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001512
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ヘモグロビンはα鎖グロビンとβ鎖グロビンがそれぞれ2本ずつ会合した4量体と4つのヘムから構成されている.ヘモグロビン異常症はアミノ酸配列の置換や欠失などのヘモグロビンの質的異常による異常ヘモグロビン症と,正常グロビンの合成異常や不均衡などの量的異常によるサラセミアに大別される.まれな疾患ではあるが先天性の溶血性貧血,多血症,チアノーゼ,サラセミア様の症状(小球性赤血球)などがみられたらヘモグロビン異常症を考慮する必要がある.無症状な症例や軽症例では治療は必要ないが,重症型では定期的な輸血が必須である.本稿では,ヘモグロビン異常症の診断と治療について解説する.
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