特集 小児の貧血
4.思春期の貧血の診かた
中原 衣里菜
1
,
谷ヶ崎 博
1
1日本大学医学部小児科
キーワード:
思春期
,
鉄欠乏性貧血
,
スポーツ貧血
,
H. pylori感染
Keyword:
思春期
,
鉄欠乏性貧血
,
スポーツ貧血
,
H. pylori感染
pp.1489-1496
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001507
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思春期は鉄の需要と供給のバランスが崩れやすく,鉄欠乏性貧血を生じやすい.とくに女子では月経も発来するため,約10%に貧血がみられる.緩徐に貧血が進行するため自覚症状が出にくく,かなり重症になってから発見されることもある.診断は小球性低色素性貧血,血清フェリチン低値により行う.バランスのとれた食事を心がけ,必要な場合には鉄剤の経口投与を貯蔵鉄が正常化するまで行う.鉄剤不応性貧血では出血源の検索やH. pylori感染を含めて診断を見直す必要がある.
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