貧血 実臨床に役立つ診療のポイントと最新の知見 貧血の診断の進め方
小児・思春期の貧血における診断のポイント
川島 希
1
,
小島 勢二
1名古屋大学 大学院医学系研究科小児科学
キーワード:
骨髄検査
,
思春期
,
小児
,
鑑別診断
,
造血
,
発生率
,
病歴聴取
,
貧血
,
分類
,
理学的検査
,
年齢因子
,
血液像
,
血液塗抹標本
Keyword:
Age Factors
,
Anemia
,
Bone Marrow Examination
,
Diagnosis, Differential
,
Classification
,
Child
,
Hematopoiesis
,
Medical History Taking
,
Physical Examination
,
Puberty
,
Incidence
pp.245-250
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013260819
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小児貧血の多くは鉄欠乏性貧血であるが,年齢により好発疾患が異なり,また血液学的検査の基準値も年齢によって異なることに注意が必要である.乳幼児はヘモグロビン(Hb)11.0g/dl未満,小学生は11.5g/dl未満,中学生は12.0g/dl未満である場合,貧血と診断する.小児期では種々の遺伝性貧血疾患がみられるため,検査計画を立てる前に病歴・家族歴を十分に聴取する.平均赤血球容積(MCV)を用いた形態学的分類,網状赤血球数を用いた造血能分類により鑑別診断を進める.同時に末梢血液塗抹標本の観察を行う.診断が確定しない場合や治療に不応性の場合は小児血液専門医へのコンサルテーションを行うべきである.
©Nankodo Co., Ltd., 2013