特集 小児の貧血
2.乳幼児期の貧血の診かた
落合 正行
1
,
石村 匡崇
1
1九州大学病院小児科
キーワード:
鉄欠乏性貧血
,
葉酸
,
ビタミンB12
,
出血
,
無形成発作
Keyword:
鉄欠乏性貧血
,
葉酸
,
ビタミンB12
,
出血
,
無形成発作
pp.1475-1480
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001505
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乳幼児期は身体成長と精神運動発達が目覚ましく,食事等の生活環境は大きく変化する.貧血の病因は多彩であり,年齢に応じた環境要因と遺伝学的背景を考慮する必要がある.乳幼児期は健診や予防接種,また,感染症等に繰り返し罹患するため,小児科医の診察を受ける機会が多い.病因に特徴的な所見と,日常診療で行われている臨床検査所見を理解することで,貧血の鑑別を進めることができる.出血や無形成発作による急激な貧血は致死的であり,緊急対応が必要である.さらに悪性腫瘍や血球貪食性リンパ組織球症による二次性貧血を鑑別しなければならない.鉄欠乏性貧血として非典型であれば,小児血液学を専門とする医師へ相談するとよい.
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