１．新生児期の貧血の診かた

胎児期から新生児期に至る過程で，赤血球造血は大きく変化する．未熟性や出生日齢による影響もあり，正常と異常を明確に区別するのが困難であることが多い．しかし新生児の貧血は，一般臨床において比較的遭遇する頻度が高い病態である．新生児期の貧血の原因は，主に血液の喪失，溶血，造血機能の低下の3つに分類され，詳細な情報収集と一般的な検査からある程度は診断可能である．緩徐に貧血が進行する疾患もあれば，急速に貧血が進行しショックを呈する緊急度の高い疾患までさまざまであり，迅速な対応が求められるため注意が必要である．