特集 黄疸を極める
5.消化器内科医も知っておくべき黄疸(1)溶血性貧血と黄疸
田岡 和城
1
1東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科
キーワード:
溶血性貧血
,
黄疸
,
自己免疫性溶血性貧血
,
寒冷凝集素
,
発作性夜間ヘモグロビン尿症
Keyword:
溶血性貧血
,
黄疸
,
自己免疫性溶血性貧血
,
寒冷凝集素
,
発作性夜間ヘモグロビン尿症
pp.311-317
発行日 2023年2月20日
Published Date 2023/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002543
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一般内科や消化器内科医師にとって,黄疸は肝疾患や胆道閉塞などの際に,非常によく診る症状である.多くは消化器疾患であることが多いが,時に溶血性貧血が原因であることがある.溶血性貧血では溶血による黄疸の所見だけでなく,貧血の症状のめまいやふらつき,動悸をきたすようになる.このような患者では,黄疸をきたす原因として溶血性貧血も鑑別において診断を進める必要がある.溶血性貧血は,臨床所見として通常,貧血と黄疸を認め,しばしば脾腫を触知し,ヘモグロビン尿や胆石を伴うことがある.その兆候を見逃すことなく速やかに検査,診断をすることで治療を行うことができる.黄疸の原因として,溶血性貧血が疑われるときは血液専門医と連携をとって診断や治療を進めることが望まれる.
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