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2016年8月〜2017年7月の1年間に肺炎球菌が分離された小児例の検討と分離株の抗菌薬感受性
福田 悠人
1
,
尾崎 隆男
1
,
髙尾 洋輝
1
,
吉兼 綾美
1
,
野口 智靖
1
,
後藤 研誠
1
,
竹本 康二
1
,
西村 直子
1
1江南厚生病院こども医療センター
キーワード:
肺炎球菌
,
莢膜血清型
,
抗菌薬感受性
,
メロペネム
,
MEPM
Keyword:
肺炎球菌
,
莢膜血清型
,
抗菌薬感受性
,
メロペネム
,
MEPM
pp.1334-1340
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001455
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2013年4月に肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)が定期接種化され,肺炎球菌感染症の動向が注目されている.2016年8月〜2017年7月の1年間に発熱や気道症状などで当院小児科を受診した患者のうち,184例から184株の肺炎球菌が分離された.症例の年齢中央値は3歳1か月(1か月〜14歳8か月),5歳以下が84%を占め,88%(113/128)にPCV7または13の接種歴があった.151例(82%)が気道感染症で,髄膜炎例はなかった.菌血症の5例はPCV13の接種歴があり,血液由来株の莢膜血清型はすべてPCV13非含有血清型(10A,22F,22F,24F,24F)であった.メロペネムに15%の株が耐性(I+R)であり,その他の抗菌薬耐性率は,ペニシリン0%,セフトリアキソン0.5%,クラリスロマイシン91%,クリンダマイシン70%,レボフロキサシン1%,バンコマイシン0%であった.莢膜血清型とメロペネム耐性率の今後の動向に注意が必要である.
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