特集 プライマリ・ケアにおける0歳児の診療—よくある訴えと診療のコツ
Ⅱ 診察の要領
14.虐待が疑われるとき
稲持 英樹
1
1なばりこどもクリニック
キーワード:
こども虐待
,
child maltreatment
,
特定妊婦
,
成育基本法
,
子育て世代包括支援センター
Keyword:
こども虐待
,
child maltreatment
,
特定妊婦
,
成育基本法
,
子育て世代包括支援センター
pp.1282-1289
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001448
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子ども虐待死亡例の約半数が0歳児であり,そのさらに半数が0日0か月の死亡であるため,その予防・防止には妊娠前,周産期からの介入が必要である.これまで小児科医は出生前への関与に乏しかったが,昨年より施行された成育基本法に基づく子育て世代への途切れのない支援のためには,積極的に出生前から支援者との連携体制を構築していく必要がある.また養育支援家庭などのハイリスク家庭への支援はもとより,健診などの一般診療場面において,「違和感」や「何となく気になる」親子に対して,虐待の可能性を意識して何らかのスクリーニングを行うなど,違和感を言語化することを心がけ,早期に支援につなげることも虐待予防には欠かせない.
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