特集 プライマリ・ケアにおける0歳児の診療—よくある訴えと診療のコツ
Ⅰ “よくある訴え”からのアプローチ
10.睡眠に関する訴え
-—0歳までの睡眠覚醒リズムの発達
星野 恭子
1
1昌仁醫修会瀬川記念小児神経学クリニック
キーワード:
睡眠覚醒リズム
,
睡眠構築
,
中途覚醒
,
夜間授乳
,
鉄欠乏性貧血
Keyword:
睡眠覚醒リズム
,
睡眠構築
,
中途覚醒
,
夜間授乳
,
鉄欠乏性貧血
pp.1244-1255
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001444
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乳児期の睡眠覚醒リズムの発達は,地球上で昼行性の生物,つまり昼間起きて夜寝る,2相性のリズムを獲得する重要な過程である.0歳の睡眠の診療には正常の睡眠リズムの変化を知る必要がある.しかし妊婦は乳児期の睡眠の発達を学ぶ機会がなく,専門家も「経過観察」ということが多い.生後3〜4か月までに昼夜の区別がつき,睡眠リズムの大枠がおおむね完成し昼寝と中途覚醒が減り,1歳半頃までに中途覚醒消失,幼児期後期に昼寝が消失.レム・ノンレム睡眠も変化するが,各要素は興奮・抑制制御系の発達といえる.指導は睡眠衛生指導(早寝早起き),夜間頻回授乳を減らす,鉄欠乏も病態として考えられ鉄剤の投与も治療を行う.母子手帳への睡眠の正常発達の掲載を期待する.
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