特集 眼感染症診療ガイド
II.診断・治療のポイント
結膜
エンテロウイルス結膜炎
中川 尚
1
1徳島診療所
pp.126-131
発行日 2003年10月30日
Published Date 2003/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101434
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はじめに
エンテロウイルスによって起こる結膜炎は急性出血性結膜炎(acute hemorrhagic conjunctivitis:AHC)である。病原となるエンテロウイルスには,エンテロウイルス70(EV70)とコクサッキーウイルスA24変異株(CA24v)の2種類があり,臨床的には類似の症状・所見を示す。
急性出血性結膜炎は急性伝染性結膜炎の1つで,眼科領域ではアデノウイルスによる流行性角結膜炎(epidemic keratoconjunctivitis:EKC)とともに厚生労働省の感染症サーベイランスの対象疾患になっている。現在,全国に約600の眼科観測定点があり,これらの定点からの報告数はインターネット上で閲覧できる。現在の流行状況を知ることも診断の一助になる(感染症情報センター:http://idsc.nih.go.jp/kanja/index-j.html)。
本項ではエンテロウイルス結膜炎の臨床診断,実験室診断,治療について解説する。
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