綜説
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の概説と疫学解析
加藤 秀樹
1
,
南学 正臣
2
1東京大学大学院医学系研究科社会連携講座糖尿病・生活習慣病予防講座
2東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科
キーワード:
非典型溶血性尿毒症症候群
,
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2015
,
エクリズマブ
Keyword:
非典型溶血性尿毒症症候群
,
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2015
,
エクリズマブ
pp.1191-1195
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000984
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非典型溶血性尿毒症症候群(atypical hemolytic uremic syndrome:aHUS)は,先天的な補体系の遺伝子変異により,または後天的な補体系の自己抗体の出現による補体制御異常により,溶血性貧血・血小板減少・腎機能障害をはじめとした臓器障害を呈する疾患である.これまでは血漿治療を中心に行われてきたが,抗補体C5モノクローナル抗体製剤であるエクリズマブが本疾患の適応となり,予後が改善されつつある.本邦では2013年に日本腎臓学会と日本小児科学会から「非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診断基準」が,2015年には改定診断基準とともに,病態,治療法についても言及した「非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2015」が公表された.また奈良県立医科大学,東京大学で集積されたコホート患者の解析から,本邦におけるaHUSの特徴についても明らかとなりつつある.本稿では,aHUSの診断・治療について,また本邦における疫学的解析結果と海外との比較について述べる.
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