特集 あらためて見直すジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオの現状とワクチン
4.破傷風の現状とワクチンの必要性
中島 一敏
1
1大東文化大学スポーツ・健康科学部健康科学科
キーワード:
破傷風
,
破傷風トキソイド
,
災害
,
創傷管理
Keyword:
破傷風
,
破傷風トキソイド
,
災害
,
創傷管理
pp.1145-1152
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000978
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破傷風は,破傷風菌の感染によって起こる致死的な感染症である.破傷風トキソイド(TT)の3回接種(基礎免疫)でほぼ感染防御レベルの免疫を獲得できるが,得られた免疫は徐々に減衰するため10年ごとの追加接種が必要となる.破傷風菌は土壌などの環境に広く存在し,災害時には受傷に伴い感染することがあることから,TTを含む適切な創傷処置がきわめて重要となる.災害に伴う感染リスクは,発災時の基礎免疫の接種状況が強く関連している.平時から,小児の定期接種の確実な接種,成人に対する10年ごとの追加接種,定期接種が開始された1968年以前に生まれた人や定期接種未完了者に対する基礎免疫の実施が重要である.
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