特集 あらためて見直すジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオの現状とワクチン
3.百日咳の現状とワクチンの必要性
中山 哲夫
1
1北里生命科学研究所ウイルス感染制御
キーワード:
百日咳全数報告
,
DTaP
,
LAMP法
,
百日咳毒素(PT)
,
追加接種
Keyword:
百日咳全数報告
,
DTaP
,
LAMP法
,
百日咳毒素(PT)
,
追加接種
pp.1137-1144
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000977
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2018年から百日咳は実験室診断に基づいた全数報告となり疫学の全容が明らかとなった.6~10歳の学童時期とワクチン接種前の6か月未満に発症のピークを認めその保護者の30~40歳代の報告が認められる.入院重症例は6か月未満で,その感染源は兄弟同胞である.現行の百日咳を含むワクチンは,3か月からの初回免疫3回と1~2歳での追加接種の後は百日咳成分の追加接種が行われていない.百日咳に対する免疫能は3年で低下しはじめることから就学前の追加接種が必要となる.DT接種時期の追加接種,新生児期百日咳を予防するための妊娠27週以降の接種も考慮する等の接種スケジュールの見直しだけでなく,ワクチンの改良が必要である.
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