特集 あらためて見直すジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオの現状とワクチン
2.ジフテリアの現状とワクチンの必要性
古宮 伸洋
1
1日本赤十字社和歌山医療センター感染症内科部
キーワード:
ジフテリア菌
,
トキソイド
,
三種混合ワクチン
,
Corynebacterium ulcerans感染症
Keyword:
ジフテリア菌
,
トキソイド
,
三種混合ワクチン
,
Corynebacterium ulcerans感染症
pp.1129-1136
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000975
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ジフテリアはトキソイド接種が広まる以前は子どもの死因として重要な感染症であった.現在,多くの国々から排除されているが,ワクチン接種率の低い国ではいまだに多くの感染者が発生している.ワクチン接種率の高い先進国で大きな流行を起こす危険性は低いが,欧州などでは流行国からの散発的な輸入事例の増加が問題となっている.また最近ではペットなどから感染し,ジフテリア菌と同様の病態を示すことのある毒素産生型のCorynebacterium ulcerans感染症も注目されている.こうした疾患への対策の基本はワクチン接種率を上げることであり,成人へのブースター接種も含めて意識を高く保つ必要がある.
Copyright © 2019, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.