呼吸器感染症2010 新たな脅威と必要な新知識
一般診療で見逃してはならないもの 百日咳
石田 直
1
1倉敷中央病院 呼吸器内科
キーワード:
抗細菌剤
,
百日咳
,
Macrolides
,
LAMP法
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Whooping Cough
,
Macrolides
pp.823-825
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010021270
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成人の遷延性咳嗽の原因として、百日咳は重要な位置を占める。成人の百日咳は、小児に比べて特徴的な臨床所見や検査所見に乏しく、他の感染後咳嗽との鑑別は困難である。ワクチン既接種者では慢性抗体保有率が高いこと、および診断基準が確立していないことより、シングル血清での判定には留意を要する。早期にマクロライド系薬等の抗菌薬を投与すれば有効とされるが、その後は対症的治療となり有効な治療のエビデンスはない。家族内感染を防ぐため、成人でのワクチンの再接種も検討されている。
©Nankodo Co., Ltd., 2009