連載 [小児科臨床教育の実際]
第6回 チーム医療からみた小児科臨床実習
伊藤 康
1,2
1総合母子保健センター愛育病院小児科
2東京女子医科大学小児科
pp.1108-1113
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000957
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医療においては多様な職種や部門が存在し,現在の医療現場ではチーム医療を積極的に展開している.安全な医療の提供のためには,職種・部門の違いや職制上の関係を問わず,相互に意見を交わしあうことが重要である.1970年に米国シカゴで,医師,看護師,薬剤師,栄養士などの多職種が集まって栄養サポートチーム(nutrition support team:NST)が設立され,チーム医療のメリットが初めて報告された.以降,感染制御(infection control team:ICT),褥瘡対策,緩和ケア,呼吸ケア,口腔ケア,摂食・嚥下,リハビリテーション,医療安全管理,在宅医療支援など,多くのチーム医療が実践されている.また,最近では,結節性硬化症診療連携チーム(TSC BOARD)のように,小児科,泌尿器科,脳神経外科,眼科,皮膚科,呼吸器内科など,複数の疾患関連診療科がチームを作り,小児から成人期まで診療にあたるチーム医療も行われている.自医療機関と地域を結ぶ地域医療連携システムもチーム医療で成り立ち,社会福祉士がリーダーシップをとることが多い.
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