特集 小児のがん―最近の動向
8.小児がん治療後のワクチン接種
東 英一
1
1鈴鹿医療科学大学医用工学部臨床工学科
キーワード:
小児がん
,
造血細胞移植
,
二次性免疫不全
,
ワクチン接種
Keyword:
小児がん
,
造血細胞移植
,
二次性免疫不全
,
ワクチン接種
pp.1075-1082
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000951
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小児がん患者の化学療法後や造血細胞移植後の二次性免疫不全状態においては種々の感染症に罹患する頻度が高く,ときにその治療に難渋する場合も多い.このため,予防接種で防御可能な感染症の対策が肝要である.とりわけ移植後は,自然感染や予防接種によって移植前に得られた免疫能が経年的に低下もしくは消失するために,予防接種の実施が推奨される.また二次性免疫不全状態でのワクチン接種の時期と種類を決定するにあたっては,治療後の免疫学的再構築がどの時期に認められるのか,さらにワクチン接種の実際についても概説した.最後に,治療後に抗体が失われた小児へのワクチン再接種費用の公的助成が各地で拡大していることについても言及した.
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