特集 血液疾患をプライマリ・ケアではどこまで診て,どのように専門医と連携をとるべきか?
専門医から一般内科へ紹介する場合
移植後長期フォローアップ外来と非専門医の連携
黒澤 彩子
1
1伊那中央病院腫瘍内科
キーワード:
造血細胞移植
,
移植後長期フォローアップ外来
,
LTFU
,
免疫抑制薬
,
二次がん
,
造血幹細胞移植推進拠点病院事業
Keyword:
造血細胞移植
,
移植後長期フォローアップ外来
,
LTFU
,
免疫抑制薬
,
二次がん
,
造血幹細胞移植推進拠点病院事業
pp.2220-2226
発行日 2021年12月10日
Published Date 2021/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227964
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Point
◎移植適応の拡大と移植成績の改善に伴い,移植後長期生存者数は増加の一途にあるが,移植後晩期においても一般人口と比較して死亡リスクが高く,晩期の死因としては感染症,肺合併症,二次がんなどがある.
◎移植後10年時点で6割の症例が何らかの合併症を有しており,慢性移植片対宿主病(GVHD)のほか,高血圧,糖尿病,脂質異常症,骨粗鬆症,甲状腺機能障害,慢性腎臓病,白内障,大腿骨頭壊死など血液内科医だけでは十分な評価と治療が難しい病態も多い.
◎移植後長期フォローアップ外来は晩期合併症のスクリーニングによる早期発見と介入を役割とし,移植後晩期の予後とQOL改善を目的としている.
◎移植後長期フォローアップ外来の現状把握調査(2018年)では,移植後2年以降かつ免疫抑制薬が終了した症例についても移植施設が主な外来診療施設である現状が明らかとなった.
◎年1回程度の移植施設におけるフォローアップに加え,一般内科における定期的な診療は移植後サバイバーの予後とQOL改善に寄与することが期待され,今後,移植施設と一般内科間の効率的な情報共有を促進するシステム構築が待たれる.
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