オピニオン
脱水時と回復期における経口補水液に対する味覚変化
松永 貞一
1
1永寿堂医院
キーワード:
経口補水療法
,
味覚変化
,
脱水
,
年齢差
,
対比効果
Keyword:
経口補水療法
,
味覚変化
,
脱水
,
年齢差
,
対比効果
pp.983-989
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000927
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胃腸炎や熱中症に随伴する脱水症状は,一次医療機関から三次医療機関まで,医療機関のレベルを問わず日常よく遭遇する症状である.この治療の選択肢の一つとして,近年,経口補水療法が普及してきている.筆者は,当院に下痢,嘔吐,発熱などを主訴として来院,軽度の脱水症状を呈していた4~55歳の患者31名に,初診時と回復期にWHOが提唱する経口補水療法(oral rehydration therapy:ORT)の考え方に基づいた経口補水液を飲用させ,その味覚変化を検討した.その結果,初診時には,「甘い」や「飲みやすい」という味覚が,回復期になると「塩辛い」や「飲みにくい」へと変化したことを観察した.この簡便に得られる所見は,臨床の一助となると考え,ここに報告する.
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