特集 小児 一次救急マニュアル─帰宅可能か?二次救急か?判断のための手引き─
❹事故・外因性原因別アプローチ
5.溺 水
種市 尋宙
1
1富山大学医学部小児科
キーワード:
溺水
,
ABCDEアプローチ
,
不慮の事故
,
虐待
,
傷害予防
Keyword:
溺水
,
ABCDEアプローチ
,
不慮の事故
,
虐待
,
傷害予防
pp.795-801
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000887
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溺水の病態は現在も明確にはわかっていないが,低酸素による臓器障害および肺損傷への対応が重要である.これらに対する初期対応は,ABCDEアプローチが簡便かつ有効である.軽症と思われる症例でも明らかな溺水エピソードがあり,何らかの症状を伴っている場合,少なくとも6~8時間以上の経過観察は必要であり,原則入院として紹介したほうがよい.溺水の原因は必ずしも患児の不注意によるものばかりではない.背景にさまざまな原因が隠れていることがあり,一次救急においてもその視点を忘れることなく,原因追及の姿勢が必要である.現代も溺水は予後不良の疾患であり,医療関係者にとって傷害予防への取り組みも重要な責務である.
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