スポーツ医学 つれづれ草
「器の失にあらず」
武藤 芳照
1
Yoshiteru MUTO
1
1東京健康リハビリテーション総合研究所,所長
pp.1217-1217
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003542
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オーケストラの演奏前に,各楽器の音合わせをする。いよいよ開演を告げる儀式のようにも見えるが,それぞれの調律がなされていなければ,良い演奏はできないので,大切な事前手続きだろう。その基軸となるのが哀調のある高い音を出す木管楽器のオーボエだ。音が聞き取りやすく安定した響きであり,一方,構造上,その場ですぐに音の高さを調整できないことから,オーボエを音合わせの基準としているようだ。最初に「ラの音」(A音=標準音)が発せられ,次々に各楽器がラの音を響かせて音合わせを行う。
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