Japanese
English
特集 聴覚障害者のリハビリテーション
中途失聴者のコミュニケーション指導
Communication Program for the Postlingual Deaf Adults.
関 育子
1
Ikuko Seki
1
1国立聴力言語障害センター
1The National Center of Speech and Hearing Disorders.
キーワード:
中途失聴者
,
コミュニケーション
Keyword:
中途失聴者
,
コミュニケーション
pp.727-732
発行日 1976年9月10日
Published Date 1976/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103625
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中途失聴者とは言語を獲得した後に聴覚障害者(児)となった人すべてを指す一般用語である.年齢,聴力損失の程度,失聴原因,失聴経過などにおいて異なる様々な人々の総称である.失聴によって人は他者とのコミュニケーションに多かれ少なかれ困難を感じるが,その度合も様々である.ここでは,片側ろう者の問題(Giolas1)),老人の聴覚障害の問題(綿森・他2))や中等度,軽度難聴者や18歳以下の聴覚障害児の問題は除外して考えたい.従ってここでいう中途失聴者(以下,中失者と略記)とは人生における社会人としての活動期に,補聴器使用のみではスピーチ了解がほとんど不可能なほどの重篤な聴力損失をこうむった人を指す.
中失者への社会的サービスは,①障害受容促進のための方策,②コミュニケーション技能向上のための方策などを通じての家庭,職場などでの適応促進,および③職業技術習得,の3側面からアプローチされるべきであると思われる.しかし,中失者に関するこの種の業務にたずさわっている専門家および専門機関の数は驚くほど少ないのが現状である.また,仮にたずさわっているにせよ各人,各機関が上記の中の一部分を互いに連携もない状態で行っているのが現状であり,言語治療士としての筆者の場合も例外ではない.
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